2009年6月 9日 (火)

シド・フィールドの脚本術

映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと
シド・フィールドの脚本術

シド・フィールド
安藤紘平、加藤正人、小林美也子、山本俊亮訳
フィルムアート社
(amazon)

 10数年前、初めて脚本を書いたときから、わたしがずっと参考にしていた、アメリカでももっとも古くて有名なシナリオ教本が、ついに翻訳されました。
 しかも、数年前に改訂された最新版に基づいているので、例として最近の作品にもたくさん言及されているところもいいです。

 日本と違って、アメリカではこの手のシナリオ・ハウツー本が山のように出ているのですが、本書はその草分けとも言うべきもので、79年に初版が出版されて以来、今回翻訳された第4版まで、常に重版し続けているベストセラーです。

 しかも、今ではアメリカで常識とされている、映画シナリオの「3幕構成」について、最初にきちんと言及した本でもあり、まさにハリウッドにおけるシナリオ執筆の基礎の基礎について書かれた本だといってもいいでしょう。

 さらに、今回の翻訳版は、巻末に「日本におけるシナリオの書式」という章も設けられているので、日本人にもとても親切。

 常々思うことですが、「何を書くか」に関しては、個々人の才能に頼る部分が大きいものの、「いかに書くか」については、技術が大きな役割を占めていて、しかもそれは「学ぶことが出来る」ものだったりします。

 この本は、まさに「いかに書くか」について学ぶための大きな指針となってくれるものです。

 今まで私は、本書の原書(しかも旧版)をつねに手元に置いて、ことあるごとに参照していましたが、最新版を日本語で読むことができるようになって、とても嬉しく思っています。

 シナリオに興味のある人は、ぜひとも読んでみて欲しい一冊です。

 この手のアメリカのハウツー本の特徴である「具体的に何をすべきか、論理立てて解説している」ところが、ややもすれば精神論に流れがちな日本人には、逆に新鮮で有益な視点を与えてくれるはずです。

 もっとも、今の私は、さらに具体的なUSC流の「3幕8場構成術」を教えてもらって、大いに参考にするようになっているのですが、まあ、それは企業秘密ってことで(笑)。

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2009年5月 5日 (火)

夏が近い

R0012001 LAに夏の訪れを告げるジャカランダの花が、街のあちこちを鮮やかな紫色で彩り始めました。

 今週末でようやく今学期の授業もおしまい。
 来週、帰国します。

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2009年2月23日 (月)

twitter始めました

 あいかわらず放置気味ですんません。
 例によってジタバタあえいでるもんで、なかなか長文が書けなくて。
 というような言い訳をしつつ、twitterに手を出してみました。
 IDは以下の通りです。
 それこそたいしたことは書かないだろうし、アメリカ人の友達向けにときどき英語で書いたりもするので、読みにくいとは思いますが、よければフォローしてやってください。
 それにしても、確かにやってみるとけっこうおもしろいですね>twitter。

 http://twitter.com/sakaisampo

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2008年12月14日 (日)

これから帰国します

 えー、例によって例のごとく、授業が忙しくなってきてバッタリと更新が途絶えてしまってましたが、ようやく今学期も昨日ですべて終了し、今日、これから飛行機に乗って日本に帰ります。
 年末年始はゴロゴロして過ごしたいなあ、とか。
 ようやく留学生活も2年目が終わり、いよいよ来年は最後の年となったのですが、まだまだ気は抜けないのが、悲しい現実だったり。
 ともあれ、来年は卒業後のことも考えないといけないので、これまで以上に波乱含みだったりしますが、なんとか切り抜けられるよう、がんばりたいところです。
 ではでは。
 次の更新は日本から!

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2008年9月28日 (日)

ジョン・ウェイン映画祭二日目

Dsc00838 今日は「映像表現」の授業があったり、どうしても書き上げないとまずい宿題があったりしたんで、結局見た映画は「静かなる男」と「捜索者」の2本だけ。今日は、さすがに土曜日ということもあってか、けっこう人が入ってて、反応も良く、映画館で見てる感じが出ててとても良かったです。

Dsc00842「静かなる男」
 アイルランドの田舎町に、アメリカから引っ越してきた男と、地元の娘の結婚騒動という、ものすごく他愛のない夢物語なんですが、何度見てもほのぼのとして心地よいのでありました。
 カラーの発色が素晴らしくいいプリントだったのも良かったです。アイルランドの自然がとにかくきれい。

Dsc00841「捜索者」
「静かなる男」と同じ監督の作品とは思えないくらい厳しい話。ラストで一人立ち去るジョン・ウェインの後ろ姿が良い、というのは、もう何百回と誰もが言ってることではありますが、まあ、良いものは良い。
 今回、この映画を大画面で、しかもフィルム上映で見ることができたのが、一番の収穫だと思います。いやー、すげえわ、この絵は。
 モニュメント・ヴァレーを馬で走っていくところとか、バッファローの群れとか、今までテレビの画面で何度も見ていた印象が一新されました。

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2008年9月27日 (土)

ジョン・ウェイン映画祭初日

Dsc00840 いろいろと〆切が押しているのですが、劇場の大スクリーンでジョン・ウェインの映画を見る機会なんて、そうそうないので、ムリして出かけてきました。

 まずは、「駅馬車」の上映前に簡単な前説と、ジョン・ウェインの足跡を辿った短篇ドキュメンタリー映画の上映がありました。
 この短篇が、生前のスチルとインタビューで構成されてて、映画からの抜粋はほとんどないんですけど、すごくよくまとまってて、とてもよかったです。
 USCでの基金集め集会でのボブ・ホープとの掛け合いとか、「勇気ある追跡」でアカデミー賞を受賞したときの様子とか、貴重な映像満載でした。

Dsc00837「駅馬車」1939年公開作品。
 あまりにも有名な若きジョン・ウェイン最初のヒット作。14作ある、ジョン・フォード監督、ジョン・ウェイン主演作品の、記念すべき1作目でもあります。
 前から良いプリントで見てみたかったんですよね。アメリカでも35ミリフィルムの良いプリントは少ないということで、今回はUCLAのアーカイブから特別に借りてきたんだとか。テレビでしか見たことなかったので、もう劇場で見てるだけで嬉しかったです。
 でも、映画自体は、印象的な場面はいっぱいあるけど、実は構成的には散漫な印象があるんですよね。いや、いわゆる「ロードムービー」の一種だから、しかたないんですけど。

Dsc00836_2「赤い河」1948年公開作品。
「駅馬車」は確かにウェインの最初の当たり役かもしれませんが、その後の映画人生を決定づけたのは、何と言ってもこの「赤い河」でしょう(先生による前説では、この作品と翌年公開された「硫黄島の砂」が、ウェインのスタートしての人気を決定的にしたんだそうです)。
 単なるヒーローじゃなくて、頑固すぎて間違いも犯してしまう、行きすぎた信念と行動の男という、この映画の役柄に、本人もはまりこんでいってしまった感があります。
 でも、だからこそ、タカ派過ぎる言動も、ある程度許されちゃうという、得な立ち位置(そんな言い方されたら本人は不本意でしょうが)を得たのも事実かも。
 ともあれ、 後年の「捜索者」の主人公と共に、ある意味で「アンチ・ヒーロー」的でもあるジョン・ウェインの主人公像の頂点の一つと言えるでしょう。
 これも、そののちウェインと何度も映画を撮ることになるハワード・ホークス監督との第1作というわけで、そういう意味でも記念すべき作品だと言えます。
 こちらは、「駅馬車」以上にプリントの状態が良くて、一万頭の牛をテキサスからミズーリまで輸送するという壮大なストーリーを、クリアな音と映像で堪能しました。

Dsc00829 結論としては、やっぱ、西部劇は大きなスクリーンで、広大な大平原の映像を楽しむべきですだってことで。2本ともテレビ放送やDVDで何度も見てるんですが、今回は今まで以上に楽しめました。
 あー、明日、明後日も楽しみ~。(^_^)

 ちなみに、日曜からは、学内のドヒーニー図書館で関連企画として、ポスター類などジョン・ウェイン関係の資料が公開されるそうなので、機会を見つけてそちらも見てこようと思います。しばらくはデューク(ジョン・ウェインの愛称)づくしってことで。
Dsc00839

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火星シリーズ、映画化進行状況

51kgbcbxnxl_ss500_ 朝起きたらこんな記事がSciFiWireに出てました。

○New Look For Carter Of Mars?


 要約すると以下のような感じです。
・現在、ピクサーで「火星シリーズ」映画版の製作が進行中。
・でも、フルアニメか実写が混じるのかはまだ未公表。
・監督のアンドリュー・スタントン(WALL*Eの監督)がシナリオ執筆中。
・原作の筋に忠実なのではなく、監督の記憶の中の「火星シリーズ」に忠実に。
・フラゼッタのイラストの雰囲気はもう古いので、もっと新しいイメージを構想中。

Kbsfrazettaaprincessofmarslg うーん、どういう作品になるんでしょうねえ?
 つうか、1作でどこまで映像化しちゃうつもりなんだろう。続編とか三部作とかの構想は、あるのかなあ?
 まあ、今までずっと企画が二転三転してはダメになってたんだから、映像化されるだけでもヨシとすべきかもしれませんが。しかもピクサーだから、たぶんヒットはまちがいなし。
 映画が完成して公開が決まったあかつきには、原作バンバン増刷しないと!>創元。

 ちなみに、今、アメリカじゃ「火星のジョン・カーター(John Carter Of Mars)」がシリーズの通しタイトルなんすね。さっき、amazonで検索して知りましたけど。(^_^;
51ast11k65l_ss500_ というわけで、写真は1枚目が現行のアメリカ版の表紙、2枚目が有名なフランク・フラゼッタによる「火星のプリンセス」、3枚目が我らが武部本一郎による日本版の表紙。
 でも、記事の調子だと、フラゼッタはもちろん、日本版の画とも全然違う雰囲気になるんでしょうねえ。コミカルなデフォルメというか、子供向きな絵柄にはしてほしくないけどなあ。

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2008年9月25日 (木)

S-Fマガジン 2008年11月号

S-Fマガジン 2008年11月号

早川書房
(amazon)


 今月の〈S-Fマガジン〉の特集「宇宙SFの現在」で、ブックガイドを少しばかり書かせてもらいました。
 今月号は、ハードな宇宙SFファンは要チェック(のはず)です。

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「メンタリスト」

97190_d0696b1 新番組「メンタリスト(読心術師)」を見ました。
 元いんちきサイキックで今はFBIのコンサルタントをしている男が主人公のミステリで、全然ファンタジーでもホラーでもなかったのが、ちょっと残念。

 前にも書きましたが、いんちきサイキックが主人公のミステリというと、すでに「サイキ」という番組が放送されてるんですけど、あっちがものすごく軽いコメディなのと比べて、こちらはどシリアス。

 なんせ、主人公の過去が重い。
 テレビに出演したりして稼いでるインチキ霊媒だった主人公は、テレビでつい「今、警察の捜査に協力して、連続殺人犯を追っている」なんて与太をとばしちゃったもんで、その犯人を怒らせ、留守中に奥さんと子供を殺されてしまっているのです。
 それ以降、霊媒仕事がインチキだったことを明かし、なおかつ、抜群の観察力を生かして犯罪捜査に協力するようになったという設定なのでした(ここのところにかなりムリがあるような気がするけど、そのうち明かされるのかなあ)。

97028_wb_0064a1 というわけで、この人の能力は、マジシャンやインチキ霊媒がお客の心理を読むために発揮する観察力、いわゆる「コールド・リーディング」というやつ。つまりそれが「読心術」ということなのでした。
 つまり、主人公がコールドリーディングの力を発揮して、どんどん人の心理状態を暴いていくのが、見どころなのです。

「CSI」のヒットのおかげで、いろんな特殊捜査ものが流行ってますが、これもその変形の一つでしょう。
 主人公のキャラクターがちょっとおもしろいので、しばらくは見るかも。
 でも、こういう作品の場合、毎回のシナリオのミステリ的なレベルがある程度以上の高さをキープできないと、キャラのおもしろさだけでは人気は保てない気がします。毎回同じようなコールド・リーディングばかりじゃ飽きられそうだし。さて、生き残れるかなあ?(^_^;
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2008年9月24日 (水)

授業中に固まってしまった。orz

 えー、やらかすんじゃないかと思ってたんですが、やっぱりやらかしてしまいました。
 今日の「演出テクニック」の授業、実習で監督役がまわってきちゃって、見事にフリーズしちゃって、呆然と立ちつくしてしまってました。とほほ。
 いやー、今まで他の生徒がやってるの見ながら、これはやばいと思ってたんですが、案の定でしたよ。

 お題は「ヒーローズ」第1話の、クレアと義母が台所で会話するシーン。
 これを、シナリオだけ見て、舞台を簡単にレイアウトし、役者をブロッキングして、5台あるカメラの配置と切り替えの指示を出す、って実習なんですが……、完璧に撃沈しました。

 なんとか、舞台をセッティングして、役者の最初の立ち位置までは決められたんだけど、カメラの位置とか移動とか、その場ですぐに考えつかなくて、頭んなか真っ白になって立ちつくしちゃいましたよ。

 先生に「で、このカメラはどこに置く? 何を撮る?」とか聞かれても、「えーっと」としか答えられず、結局ものすごく時間をかけて、無難に正面からの2ショットと、それぞれの肩越しのショット、それにロングショットの4箇所にカメラを据えたものの、切り替えの指示が出せずにもたもたしてしまって、先生も他の学生にはいつも聞いてる「このショットにはどういう意味があるんだね?」なんて質問もしないで、おしまいになってしまいました。

 てか、聞かれても答えられなかったっすけどね。
 いつも、ショットリストとフロアプラン書くのに、何日もかけちゃってるのに、その場でこんなこと、急には対応できませんわ。
 これができなきゃ、テレビの世界じゃ生きていけないって、こないだからずっと言われてるんですが、かなり厳しいなあ。

 脚本の打ち合わせでもそうだけど、その場で即答するのが苦手で、一旦時間をかけて考えをまとめないととっちらかっちゃうんですよねえ。そこからなんとかしないと、監督はムリだってことかなあ、やっぱ。
 いやはや、前途多難。

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